ニューカレドニアの独立指導者、ジャン=マリー・チバウ
先日(11月4日)にニューカレドニアでフランスからの独立の賛否を問う国民投票が行われ、「独立反対」が約56%と「独立賛成」の44%を上回りました。当初の予想と大きな乖離はありませんでしたが、ニューカレドニアに住むフランス系住民の人はとりあえずほっとしたのではないでしょうか。
ロケ中(10月)にも独立賛成派の旗や横断幕をたくさん見かけました。
ロケ中に偶然訪れた村には、1989年に暗殺された独立派の指導者ジャン=マリー・チバウ氏のお墓がありました。
原住民カナックの間では英雄視されており、ニューカレドニアではとても有名な方のようです。
1988年に独立派の指導者ジャン=マリー・チバウはフランス政府と「マティニョン合意」に署名しました。
原住民カナックに対する経済援助を明文化する代わりに、今後10年間は独立を求めないという合意だったようです。
チバウ氏はカナックの出身ですがフランスの大学でも学んだインテリで、長期的な視野に立ち現実的な選択をしたのだと思いますが、本来は仲間であるはずのカナックの過激派に翌年暗殺されます。
原理主義的な人たちからは「弱腰だ」と批判されたようです。
ニューカレドニアの首都ヌメアには「チバウ文化センター(Jean-Marie Tjibaou Cultural Centre)という文化博物館があり、観光スポットとしても有名です。
(Image: inhabitat.com)
1993年にイタリアの建築家によって設計され1998年にオープン。巻貝のような形をしたカナックの伝統家屋「カーズ」を模した建物が大小10棟建っておりとても美しいです。
ちなみに、日本やニュージーランドのパスポートを持っている人はニューカレドニアにビザなしで入国できますが、中国などのパスポートの場合はビザが必要になるそうです。
そのためニューカレドニアで中国人観光客を見かけることはほぼありません。
現在、中国人のビザなし入国について政府内でも議論されているそうなので、近い将来中国人観光客がどっと押し寄せてくるかもしれませんね。
ニューカレドニアに旅行するなら今のうち?